第148章

田中辰哉は一通り聞き終えると、少し考えてから言った。

「いい案だ」

大島莉理はふっと笑みを浮かべる。胸の奥の好奇心が、どうしても抑えきれなかった。

「ひとつ、聞いてもいいですか……」

「ん?」

田中辰哉がちらりと視線を寄こす。

大島莉理は慎重に言葉を選んだ。

「私、その方のこと……知ってます?」

田中辰哉を拒めるような相手がいること自体、彼女には正直すごいと思えた。自分は違う。――そう感じていたからこそ、田中辰哉に「好きな人」がいると分かって、なおさら確信した。あれは誤解だったのだ、と。

自意識過剰だった。

田中辰哉は口元をわずかに上げる。

「知ってる」

「えっ。会社...

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